【介護予防コラム70】介護予防は「お口」から ~オーラルフレイルを予防しよう~

「介護予防」と聞くと、運動・栄養・社会参加を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実はそれらの土台として大変重要なのが “お口の健康” です。

最近「オーラルフレイル」という言葉をよく耳にしませんか?これは、「噛む」「飲み込む」「話す」などのお口の働きが、少しずつ弱っていく状態のことをいいます。お口の力が弱ると、食事量が減ったり体力が落ちたりして、放っておくと介護が必要な状態へつながることもあります。だからこそ、お口の変化に早く気づくことがとても大切です。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルは、年齢を重ねると誰にでも起こる自然な変化です。しかし、はじめは小さなサインから始まります。

これらは お口の筋肉や感覚が弱ってきているサイン です。早めにケアすることで進行を止めることができます。

オーラルフレイルを放っておくとどうなる?

オーラルフレイルが進行すると、体や心の健康にも影響が及びます。


① 誤嚥性肺炎
飲み込む力の低下で誤嚥が起きやすくなり、お口の細菌が肺に入ると肺炎につながることがあります。


② 栄養不足(低栄養)
噛みにくさ・飲み込みにくさで食事が減ると必要な栄養が足らず、筋力低下や免疫力低下。そのまま 全身のフレイル(虚弱) を招くこともあります。

③ 心のフレイル・社会的フレイル
「口臭が気になる」「言葉がはっきり出ない」などの理由で、人との会話や外出を控えてしまうことがあります。その結果、笑顔や会話の機会が減り、気持ちが落ち込んだり、人とのつながりが少なくなったりすることがあります。

 

今日からできる!オーラルフレイル予防のポイント

オーラルフレイルがどのくらい健康に影響するか、分かっていただけましたでしょうか。これらを踏まえて、今すぐにでも取り組めるオーラルフレイル予防のポイントをお伝えします!

お口の健康は“体と心”の元気を守る

オーラルフレイルを防ぐことで、こんな良いことがあります。
・食べる楽しみが続く→しっかり栄養をとることができます。
・むせや誤嚥を防ぐ→肺炎のリスクを下げられます。
会話や笑顔が増える→人とのつながりを保てます。

つまり、口の健康は介護予防の出発点です。「噛む・飲み込む・話す・笑う」力を守ることが、全身の元気(フレイル予防)につながります。

まとめ

オーラルフレイル予防は“気づいたときが始めどき”です。歯みがきや体操など、日々の小さな積み重ねが、「食べる力」「話す力」「生きる力」を支えます。

Let’sリハ!では、提携病院の言語聴覚士が定期的に来訪しオーラルフレイルのチェックを実施しています。(福岡市内の該当店舗に限ります)「食べる」「飲み込む」「話す」「聞く」といった日常動作に関するご相談が可能です。また、専門家のアドバイスに沿った訓練プログラムも実施しています。ご質問等ございましたら、お近くのLet’sリハ!にお気軽にお問い合わせください。

 

今回の執筆者は…

Let’sリハ!福岡本部
エリアマネージャー/理学療法士
前田 憲男

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