【介護予防コラム⑪】
60代から始める足腰のシニア筋トレで、筋力低下をストップ!

体を動かす筋肉の量は、40歳くらいから徐々に低下し、60歳代にはピーク時の約70%台まで低下すると言われています。意外なことに、筋力低下を起こしやすいのは女性よりも男性。そして、上半身よりも下半身に起こりやすい傾向にあります。身体を支える足腰の筋力は、アクティブに過ごすにはとても重要です。今回は高齢者に見られる筋力低下と、足腰の筋力アップについてお話しします。

筋力低下、2つのタイプ

筋力低下には大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

①加齢による筋力低下

加齢によってどのくらい筋力低下するかは、先にご紹介した通りです。60歳代の筋力は、ピーク時の70%台。それからは…? それ以上筋力が低下しないように、今の筋力を維持することが大事です。

②不活動による筋力低下

動かないこと、つまり筋肉を使わないことが筋力低下の原因となります。寝たきりで過ごした場合、一日あたり2~3%の筋力低下を起こすというデータも出ています

※園田茂:総説 不動・廃用症候群,The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2015;52:4-5;pp265-271

筋力低下が与える影響とは?

体にはバランスを支える体幹筋と、手足を動かす上半身と下半身の体肢筋があり、体幹筋はそれほど加齢により減少しないのに比べ、特に下半身の筋肉は減少しやすいのが特徴です。下半身の筋力は、すなわち足腰の強さ。筋力が低下すると、立ち座りの動作や歩行、トイレや入浴動作や階段昇降動作などの日常生活動作が難しくなるなど、QOL(Quality of Life=生活の質)の低下にもつながります。筋肉の衰えを防ぎ、QOLを維持していきましょう! そのためにご自宅でも簡単、かつ安全にできる運動方法をご紹介します。

筋力低下をストップする、シニア筋トレをご紹介。

これからご紹介する筋トレは、「無理なく」「安全に」をテーマに筋力低下を効果的に防ぐトレーニングです。加齢での筋力低下が気になる方はもちろん、運動不足で動きの少ない生活を送られている「不活動」気味な方も、筋力をつけるはじめの一歩にしていただければと思います!

お尻・太もも・ふくらはぎを鍛えましょう!

これらの筋力が低下すると、「イスから立ち上がりづらくなる」「ふらついたりつまづきやすくなる」だけでなく「関節への負担が増し腰や膝の痛の原因になる」こともあります。どれもシニアの方からよくいただく相談です。年齢とともにそのように感じるようになったという方も多いのではないでしょうか。
特に年齢とともに衰えやすい部位ですので、しっかりと意識をしてトレーニングをしていきましょう!

運動する時のポイント

  1. 鍛える筋肉を意識する
  2. 軽め~中くらいの負荷で行う
  3. 息を止めない(息を吐きながら力を入れる)

ココに注意!

  1. 週2~3回程度を目安に行いましょう。やり過ぎは痛みや怪我の原因になります。
  2. 痛みがある、または運動途中に痛みが出た場合は、トレーニングを中止しましょう。
  3. まずはストレッチを行い、各運動とも10回程度を目安に行っていきましょう。

1.お尻(大臀筋)の筋力強化

<トレーニング方法>
仰向けに寝た状態で両膝を曲げ、足を立てます。
その状態からゆっくりとお尻を持ち上げます。
持ち上げた状態を5秒程キープし、ゆっくりとお尻を下ろします。
この運動を10回程行います。

2.太もも外側(中臀筋)の筋力強化

<トレーニング方法>
仰向けに寝た状態で足を閉じます。
両足を床面から離さないよう、スライドさせながら横に開いていきます。
余裕がある方は太ももにヒモをつけて、ヒモいっぱいまで足を開いて5秒程キープし、
その後ゆっくり足を閉じていきます。
この運動を10回程行います。

3.太もも前側(大腿四頭筋)の筋力強化

<トレーニング方法>
椅子に腰掛け、ゆっくりと片足の膝を前に伸ばし、そのまま5秒程キープします。
その後足をゆっくりと下ろします。
片側10回程繰り返し、終わったら反対側を行います。

4.ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)の筋力強化

<トレーニング方法>
立った姿勢で壁や椅子等の安定した物に両手をつけます。
大きく爪先立ちして5秒程キープし、その後ゆっくりかかとを下ろします。
同じ運動を10回程行います。

まとめ

日常生活の中で筋肉の衰えを感じたら、無理のない範囲で行う地道な運動を継続していくことが大切です。症状に合わせた筋力トレーニングを続けることで、関節の痛みや転倒のリスク等を減らすことができます。

自宅ではついつい怠けてしまう…。
運動したくてもやり方がわからない…続かない…。

レッツリハ!では、理学療法士による身体機能評価に基づいてお一人おひとりの状態に合わせた運動メニューを作成し、指導いたします。
根拠に基づいた効果的なトレーニングをして、QOLの向上につなげましょう!


今回の執筆者は…

レッツリハ!板橋みなみ常盤台

理学療法士
黒岩 祐希