【介護予防コラム⑬】寝る前15分で睡眠の質が変わる!?

休養だけじゃない睡眠の役割

人は、人生の約3分の1を睡眠の時間に使っています。

睡眠にはさまざまな役割があり、身体や脳、神経、精神の疲労を回復するだけでなく、細胞の生まれ変わり体内バランスの調整記憶の整理ストレスの緩和など、重要な働きをしています。睡眠がうまくとれていれば、これらの機能をスムーズに果たせますが、睡眠の時間が少なかったり質が悪かったりすると、十分な働きができません。結果、「よく眠れなかった」「寝ても疲れが取れない」という状態に陥ってしまいます。

 

睡眠の質を上げるには?

睡眠に影響を与える因子はたくさんありますが、その中の一つに、筋肉がしっかり緩んだ状態で入眠することが重要だと言われています。横になり休んでいるつもりでも、手足や腰、背中、下肢の一部の筋肉の力が抜けきれず、筋肉が緊張したまま眠りについてしまうという方が多くいらっしゃいます。筋肉が緊張した状態で眠ると、自律神経の働きも乱れたまま眠ることになります。そうなると、身体だけでなく脳もうまく休めない状態となり、寝不足や疲労蓄積につながるリスクがあります。

寝るときに緊張を緩めると、睡眠の質が上がる

50名の不眠症患者に、寝る前に緊張を弛緩するエクササイズを行ってもらい、睡眠時間や質を評価した研究があります。この研究では、筋肉をゆるめるエクササイズをすることで睡眠の質が上がる、つまり、入眠までの時間が短縮し、連続で眠れる時間が長くなり、熟睡度が改善するという結果が報告されています。さらに、不眠症以外にも高血圧や不整脈、潰瘍、頻尿にも効果があったとのこと。寝る前に体の緊張をゆるめることは、メリットがたくさんあるんですね!

緊張度をチェックしてみましょう

ご自身のからだがどのくらい緊張しているか簡単にチェックすることができます。
力を抜いて仰向けになり、筋肉が部分的に緊張していないか確認してみてください。また、床に背中全体が密着しているか、肩が浮いていないか、膝が曲がっていないかを確認してみてください。力が抜けていれば、身体全体が床に密着し力が抜けてリラックスできているか確認してみてください。

 

それでは、寝る前にどのようなことすると筋肉が緩まるのかを確認していきましょう!

 

就寝前にできる緊張弛緩エクササイズ12

①~⑪まではすべて、15秒力を入れて30秒脱力を1セットとして実施してみましょう。
力の入れ具合は、6~7割程度を保ってください!

 

まとめ

現代の日本では日本人の5人に1人が睡眠中になんらかの障害を抱えていると言われています。睡眠不足や睡眠の質が低下するということは高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因にもなると言われています。

質のいい睡眠に必要な要素は今回ご紹介したもの以外にもたくさんありますが、まずは身体がリラックスできる状態にするということがとても重要です。寝る前15分の運動が難しい方は、筋肉のこわばりや緊張が気になる部位だけでもいいので、運動を取り入れてみてください。良質な睡眠をとり、日中は活動的にイキイキと楽しく過ごしましょう!


今回の執筆者は…

レッツリハ!イオンモール熊本店
理学療法士
辻 純義


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