【介護予防コラム⑭】
高血圧を予防する、運動と3つのポイントをご紹介!

高血圧ってどんな状態?

・血圧とは

血圧とは、心臓から送り出される血液が全身へと流れていく際、動脈の内側にかかる圧力のことです。血圧は心臓に近い血管ほど高く、手足などの末梢血管にいくほど低くなります。血圧測定を行うときは、上腕部の血圧を測定します。

・高血圧ってどんな状態?

高血圧とは収縮期血圧(最高血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)90mmHg以上、この基準値のどちらか一方または両方の血圧値が慢性的に超えている状態のことをいいます。高血圧の状態では、血管の壁に常に圧力がかかっている状態になるため、血管が硬くなる動脈硬化が起こり、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、慢性腎臓病などの重大な病気につながることもあります。

高血圧の状態を放置しておくのは、とても危険なことだということがおわかりいただけたでしょうか? 日常生活から予防を取り入れて、高血圧の状態を放置しないように、健康を保ちましょう! また、既に血圧が気になっている方も、運動や日常生活のポイントをお伝えしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

高血圧症は運動でも予防できる!

適度な運動すると、プロスタクランジンという物質が出ます。この物質には交感神経の働きを低下させ、血管を拡張させることで血圧を下げる役割があります。負荷の高すぎる運動は逆効果ですので、あくまで「適度な運動」がポイントですよ!

ご注意ください!

重症の高血圧の方は運動にはリスクが伴いますので、主治医に相談し、できる範囲での運動を行ってください。また、運動前後での血圧の変動の確認をおすすめします。

それでは、運動方法をご紹介します!

カーフレイズ

椅子やテーブルなどにつかまり、かかとを上げるようにつま先立ちを行います。4秒かけて上げて、4秒かけて下げます。

ちょうどよい運動を行うには

・10回×2セットからスタート。できれば3セット行いましょう
・息を止めないように気をつけましょう(息を止めると血圧が上がります!)

 

ハーフスクワット

椅子やテーブルなどにつかまり、膝を曲げながらお尻を落とします。膝がつま先よりも前に出ないようにゆっくり行います。4秒かけて下げて4秒かけて上げます。

ちょうどよい運動を行うには

・10回×2セットからスタート。できれば3セット行いましょう
・息を止めないように気をつけましょう(息を止めると血圧が上がります!)

 

ウォーキング

有酸素運動。1日30分以上の運動を目標に!(10分を3回に分けても可能) 

ちょうどよい運動を行うには

・短い距離からスタートし、1日10分以上を目安としてください。
・歩く速さは会話が続けられるぐらいのペースがベスト。

 

血圧を気にされている方へ、日常生活のアドバイス!

朝の血圧が高いと悩まれている方、病院や外出先で血圧が高くなると悩まれている方に試していただきたい、3つのアドバイスをご紹介します。

深呼吸・腹式呼吸を心がけましょう!

高血圧の人は呼吸が浅く回数が多い傾向にあります。腹式呼吸のような深い呼吸をすると血圧を下げる物質が多く作られるようになります。また、深い呼吸には自律神経の作用を整える効果があります。吐く息を長くすることにより、副交感神経が優位に働き血圧を下げる効果があります。普段の生活から腹式呼吸を行えているかチェックしてみると良いと思います。

良質な睡眠をとりましょう!

寝不足になると、血圧が上がりやすくなります。交感神経が刺激されるため、血管が収縮して心拍出量が増加するためです。そうならないためには、睡眠時間をしっかり確保することが大事です。

急激な温度変化を減らしましょう!

血圧は温度の変化に敏感で、温度差が10度以上ある場所の移動で急激に体を冷やすと末梢神経が収縮して血圧が上がります。衣服の調整を行い、温度変化を減らしましょう。

まとめ

適度に体を動かすことは、万病の薬です! 決して無理せず、コツコツ毎日続けましょう。今高血圧の治療をしている方は、主治医に相談の上、無理のない範囲で運動しましょう。さらに、呼吸・睡眠・温度変化の3つに気を付けて生活することで、より安心して過ごせるようになるはず。ぜひ実践してみてください!

今回の執筆者は

レッツリハ!筑紫丘
理学療法士
田尻 健人

 


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