【介護予防コラム㊱】気を付けよう、冬の脱水症と筋肉量の関係性 冬といえば水分補給!!

突然ですが皆さんは 冬場にも脱水症が多いことをご存知でしょうか?
脱水症は、「汗をかきやすい夏」に気を付けることだと思う方も多いでしょう。しかし、冬にも脱水症が起こる危険性は十分にあります!

 

脱水症とは? 合わせて知りたい3つの脱水の種類

脱水症とは

私たちの体に入る水や電解質(ミネラルなど)の量よりも、体から出る量の方が多くなり、体内の水分量が減ってしまっている状態です。様々な要因で体から出る水分の量が多くなってバランスが崩れた際に脱水症を発症し、頭痛や食欲不振などの症状を引き起こしてしまいます。

出典:厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動

3種類の「脱水」

・高張性脱水
汗をたくさんかいて喉が渇いているときにみられる脱水で、電解質より水分の方がより多く失われ、体液が濃くなっている状態。

・等張性脱水
下痢や嘔吐によって体液が一気に失われたときに起こり、水分と電解質が同等の割合で失われる状態。

・低張性脱水
たくさん汗をかいているのに、お茶や水などの電解質があまり含まれない飲み物を大量に飲んだ時に起こる脱水で、水分よりも電解質が多く失われている状態。

このように様々な脱水の種類がありますが症状によって対応方法も異なるため、症状に注意して緩和しない場合は早めに医師に相談しましょう

見落としがちな脱水症の初期症状

以下は特に冬場に見られる脱水症の初期症状です。

  • 肌が乾燥してかさつきが気になる
  • 口の中が粘つく、食べ物が喉を通りにくい
  • 便秘になったり、便秘がひどくなったように感じる
  • 皮膚に弾力がない、手の甲をつまんで離すと3秒以上跡が残る
  • 足のすねがむくむ、靴下のゴム跡が10分以上残る

思い当たる症状がみられる際は、水分補給や経口補水液の接種を心掛け、症状悪化を防止していくことが重要です。

まさか・・・意外な脱水の要因

特に65歳以上の高齢者に多い脱水の要因は以下の通りです。

  • 喉の渇きを自覚しにくい
  • 腎臓の機能が低下して体内の水分量の調節がうまくいかなくなる
  • 食事量が減る
  • トイレに行く回数を減らしたいから、水分を摂らない
  • 利尿作用を持つ治療薬で水分を喪失しやすい
  • 高浸透圧食品(ケーキやチョコレートなどの身体の電解質を奪ってしまう食品)の摂取で相対的に水分量が不足する
  • 筋肉量が低下している

この中で特に高齢者に気をつけていただきたいのが“筋肉量の低下”。これが脱水を引き起こす大きな要因の一つです。

冬場でも脱水はなぜ起きる?

脱水と筋肉量の関係

あまり知られてはいませんが、筋肉は身体の中で最も多くの水分を含んでいる場所です。わたしたちの身体は水分が約半分を占めています。しかし、年齢とともにその比率が落ちていき、成人男性で60%ある水分量が高齢者では50%程にまで下がってしまいます。

出典:環境省熱中症環境保健マニュアル(PDFが開きます)


つまり「身体の中で蓄えられている水分量が少ない状態」となることで脱水症の発症リスクを高めてしまいます。運動量が減少し、次第に体内の筋肉量が低下していく傾向にあり、その結果脱水症の発症リスクを高めてしまうのです。冬場は外出を控える方が多くなる傾向にありますので、よりそのリスクが顕著となりやすいです。

乾燥による水分蒸発

体の水分は汗や尿によって減っていきます。また、皮膚からの水分蒸発によっても外に出ていきます。冬は夏に比べると空気が乾燥しており、乾燥によりその水分蒸発を「汗」として見ることが少なくなるので、気付かないうちに脱水状態となっており冬場の脱水症が起きてしまうのです。

これらの状態にならない為に、日頃からの適度な運動習慣を身に付けて、こまめな水分補給を心掛け予防していきましょう! 体内の水分バランスが崩れたときに、ジュース(甘い飲み物)やお茶だけで水分補給をしてしまうと、のどの渇きは治まってもそのほかの脱水症状を抑えることが出来ません。塩分などをバランスよく含む水分を飲むことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか? まさか、筋肉量が脱水に関係しているとは…と感じた方も多いと思います。高齢者の運動機能と筋肉量の低下は、様々な症状や病気に繋がってしまう恐れがあるのです。これらの症状は日頃からの適度な活動や運動習慣によって予防することが出来ます!

レッツリハ! では、低下していく筋肉を維持向上させ、脱水予防にもつながる運動を行うお手伝いをさせていただいています。気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ! までお問い合わせください。これからも、健康寿命を延ばし、生き生きとした毎日をともに過ごしていきましょう!

今回の執筆者は…

Let’s リハ!熊本本部
理学療法士 北山 道信

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