【介護予防コラム 46】ヒートショックを未然に防ぐ!~予防と対策~

最近ではだいぶ秋を感じられとても過ごしやすい気候になりましたが、これからの寒さが加速していく季節を思い、憂鬱になる方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、屋内での寒暖差ヒートショックが引き起こす危険についてお話します。本格的な寒さの到来前に、ヒートショックについてご自身でできる予防&対策を知っておきましょう。

油断大敵!ヒートショックとは

急激な温度の変化による血圧の乱高下に伴って、脳内出血大動脈解離心筋梗塞脳梗塞などの病気が起こることをいいます。特に入浴時やトイレは人目につきにくく、発見が遅れがちなので注意と予防が重要となってきます。

家のどこで起こりやすい?

ヒートショックを起こしやすいのは、冬場の浴室、脱衣所、トイレなどです。いずれも寒暖の差があり、10℃以上の差となると血管が急激に動きやすくなるためです。

家の中でヒートショックが起こりやすい場所

トイレでは排便時にいきむ際血圧が上昇し排便後に一気に血圧低下するなどヒートショックがおこりやすい場所でもあります。

また、浴室では長湯や高温で入浴すると脳血流量が減少し、意識障害を引き起こすことで溺れてしまうケースが多いため要注意です。

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による発生月別死亡者数グラフ

※出典 : 消費者庁News Release(令和2年11月19日)

症状と対処法

ヒートショックの代表的な症状としては軽度なものと重度なものがあります。疑わしいと感じたら、無理をせずすぐに以下の対処法を試してみてください。

軽度

症 状:めまい、立ち眩みなど
対処法:座る、横になる等、水分補給をしつつ安静にする

重度

症 状:胸痛、呼吸困難、嘔吐、意識消失など
対処法:脳梗塞や心筋梗塞の恐れがあるため、救急車を要請

予防法は?

ヒートショックの予防法として効果的なのは、家の中の温度差を無くすことです。 そうは言っても、部屋の広さや向きなど、暖房だけではどうしても避けられない温度差はあります。それらの対処法としては以下を参考に、温度差の影響を受けない服装や急激な体温変化が起こらないように、普段から身体を冷やさないように心がけましょう。

起床時

布団の中で手足の指の曲げ伸ばしなどのストレッチをし、体を温めてから布団を出るようにしましょう。また、防寒具を近くに用意しておくことも忘れずに。

ヒートショックの予防法(起床時)

外出時

外出するまえに、手袋、マフラーなどの防寒具を身につけ、手や首周りを暖かくしてから外出するようにしましょう。

ヒートショックの予防法(外出時)

トイレ

洋式トイレの場合は冷たい便座を避けるために、暖房便座を導入してみましょう。スリッパや便座カバーをパイル地のような触感のものに交換するのも、寒さの感じ方が変わります。

お風呂

湯を浴槽に入れる際に、シャワーから給湯すると蒸気により浴室の温度が向上し、入湯時の急激な温度変化を防げます。湯船のお湯の温度は41℃以下であまり熱くせず、10分程度を目安に入浴しましょう。

ヒートショックの予防法(浴室)

なお、食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は、血圧の変動を伴うので避けましょう。

最後に

今回は冬に生じることが多いといわれるヒートショックについて、症状や予防法などをご紹介しました。ヒートショックは65歳以上の方に起こりやすく、浴室での報告が多発しています。高血圧や糖尿病、不整脈などの疾患をもたれている方は注意を要するため、上記に記した予防法を是非実践して頂いて、健康な生活を維持していきましょう!

レッツリハ! では、運動を楽しく行うお手伝いをさせていただいています。ヒートショックの予防としてできる布団の中でのストレッチや、寒い季節でも体を冷やさないように過ごすアドバイスなども行っております。気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ! までお問い合わせください!

今回の執筆者は…

Let’s リハ!芦屋店
管理者 應地 海蔵


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