【介護予防コラム㊴】高齢者の「転倒」に要注意!自宅が危ない!? 転倒のリスクと予防方法

皆さん、最近転倒した、もしくは転倒しそうになったということはありませんか? 高齢者にとって転倒は身近な問題です。過去に当サイトでも、転倒に関するコラムを掲載してきましたが、改めて高齢者の転倒について考えてみたいと思います。

高齢者の転倒事故、転倒一番多い場所は?交通事故より転倒事故での死亡者が多いの!?

転倒の定義などは過去のコラム【介護予防コラム⑨】ステップが転倒予防の肝!?を参考にされて下さい。こちらの記事にあるように、転倒事故が多い場所として、「自宅」が挙げられます。特に住み慣れたはずの「居室」や「寝室」が最多となっています。

令和2年の65歳以上の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」の約4倍となっており、しかも代が上がるにつれて死亡率は増加し、特に75歳以上は5歳年齢が上がるごとにほぼ倍増する傾向にあります。

さらに【介護予防コラム③】転倒を予防していつまでも元気に!~サルコペニアを予防しよう~でも紹介したように、介護が必要な状態になる主な理由の一つに「転倒・骨折」があげられます。つまり転倒後は要介護状態になりやすいのです!

転倒の恐ろしさは十分に伝わったかと思います。今から、高齢者の転倒予防にどのような対策があるのか? 転倒に至る要因から転倒予防のポイントを説明していきます。ポイントをしっかり抑え、今からでも転倒事故を起こさないための準備をしていきましょう!

高齢者のなると転倒しやすくなるのは何故? 転倒に至る要因

転倒に至る原因には、内的要因外的要因があります。

内的要因

加齢による身体機能低下
加齢に伴い、「筋力」「バランス能力」「瞬発力」「柔軟性」などが衰え、とっさの身体を守る動作が行えなくなります。ふらつきによる身体の制御が難しくなり、簡単に転倒しやすくなります。
薬や病気による影響
高齢になるにつれ病気になりやすく、内服薬が多くなることもあります。薬の作用や副作用によってふらつきが出やすいこともあります。
運動不足
最近は新型コロナ感染症による影響で外出頻度が減り、自宅に閉じこもりがちな高齢者が多い状況です。活動量が減ると身体機能や認知機能が低下し、転倒リスクが高まる可能性があります。

外的要因

環境問題
長い間自宅で過ごしていると何気ない段差なども気にしなくなります。小さな段差など放置していると、いつの間にか躓きやすくなっている事もあるのです。段差だけではありません、普段置いているコード類、絨毯やこたつ布団など、転倒リスクはどこにでも潜んでいます。外の場合は普段から注意をしている為、自宅よりも転倒事例は少ないですが、環境を把握していない分リスクは否めません。通行人や自動車、ドア、雨や雪なども十分転倒リスクとなりますので用心しましょう。

身体(内)と環境(外)から! 転倒を防ぐポイント

内的要因に対して

加齢や活動量低下による身体機能低下を解消するためには、日々の運動が効果的です。 最近、身体が衰えた感覚がある方や、自宅であまり動かない方などにおすすめの下半身を中心とした簡単に出来る運動をご紹介します。下半身から運動機能を維持していきましょう!

  • 手すりや椅子など体を支えられるものを準備し、安全な場所で行いましょう。
  • 20回×2を一日3セットから始めていきましょう。朝・昼・夜と分けて出来れば理想的です。
  • 個人差がありますので、無理のない範囲での実施をお願いします。痛みや息切れが強く出る場合は、すぐに中止してください。
ハーフスクワット
足を肩幅に開き、ゆっくり膝を曲げていきます。踵が浮かない程度までで大丈夫です。そこから膝を伸ばしていきます。これを繰り返します。なるべくゆっくり、息を止めずに行ってくださいね。
カーフレイズ
姿勢はまっすぐに立ったまま、かかとの上げ下げをなるべくゆっくり行っていきます。腰が反ったり、膝が曲がったまま行うと効果が落ちますので注意してください。まっすぐな姿勢でかかと上げが難しい方は、つむじが上から糸で引っ張られている感覚を意識しましょう。
太もも上げ運動
直立の状態から、片方の太ももを上げていきます。なるべく90°くらい太ももを上げるように意識してください。太ももを上げるのに集中しすぎると、バランスを崩しやすいので、しっかり支えにつかまりながら行ってくださいね。

外的要因に対して

転倒リスクを軽減できるように生活環境を整えましょう。下記のチェックを基に生活場所を見直してみて、躓きやすいところや危険な場所をおさらいしてください。

居間や廊下

□絨毯やコード類、こたつ布団など足が引っかかりやすい環境ではないか
□入口の小さな段差、動線上の障害物などは大丈夫か
□滑りやすいものはないか

玄関

□玄関マットは滑らないか
□上がり框は高すぎないか
□靴を履くときの支えはあるか

浴室

□入口の段差は高すぎないか
□浴室の床は滑らないか
□浴槽は高すぎないか

外出時

□天候は大丈夫か
□車通りや人通りはどうか
□道なりやお店で滑りやすい場所や躓きやすい場所はないか

居間や廊下、玄関では敷物の下に滑り止めマットを敷いたり、整理整頓を心がけて、なるべく動線には何もない状態を保ちましょう。浴室でも滑り止めマットや滑りにくい床材の使用、浴槽をまたぐ際には手すりがあると良いです。家全体においても段差解消のためのスロープや踏み台を検討し、必要な場所には手すりや支持物を設置するとより良いでしょう。外出時には天候に応じた装備をし十分注意してください。調子が悪いときや悪天候時には誰かと一緒に出かけるなどして、安全を確保しましょう。

まとめ

今回は、転倒についてお話をさせていただきました。今回紹介した内容をもとに簡単な運動や住宅の環境調整を進め、転倒を予防していきましょう!

もし「自宅では運動できない」「家でずっとボーっとしている」といったお悩みがある方は、デイサービスに通うことで解消されるかもしれません。また、住宅環境をどうしたらよいか分からない等あれば、福祉用具のレンタルや購入のサービスもありますよ! これらは介護保険で利用することが出来ますので、うまく利用し転倒予防を図ることも可能です。是非担当のケアマネージャーさん等に相談し検討してみてください!

私たち、レッツリハでは、利用者様一人一人にあった運動を提供し、身体機能の維持・向上を図っています。また、転倒予防等だけではなく、趣味や生きがいづくりにもサポートさせていただいております。利用者様の転倒事故が少しでも起きないよう、スタッフ全体で全力で取り組ませていただきますので見学や体験等、是非お待ちしております!

今回の執筆者は…

Let’s リハ!原田
理学療法士 牧之瀬翔太

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