【介護予防コラム㉝】体重管理が生活習慣病予防のカギ!? 知っておきたい体重知識

9月に入り過ごしやすい気候になってきました。秋は食欲も高まる季節ですね。日々の美味しい食事に気づいたら体重が増えている…なんて経験をされた方もいるかもしれません。今回のコラムを読んで、ご自身の体重に意識を向けて生活習慣病の予防に役立てていただければ幸いです。

介護の原因と生活習慣病

2022年の政府発表によると、介護が必要になった原因は1位認知症、2位脳血管疾患、3位高齢による衰弱の順になっています。また、最近の研究で中年期からの高血圧・高血糖・高脂血症に起因する生活習慣病が、認知症の発症原因と関係があることが明らかにされました。

生活習慣病と体重の関係

生活習慣病とは、食事や運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらの生活習慣が発症の原因となる疾患の総称であると定義されています。生活習慣病を引き起こす要因に高血圧・高血糖・高脂血症などがあり、これらに関与するのが肥満です。過食や運動不足の生活習慣は、肥満による生活習慣病の危険を増加させます。

あなたの体重は適切?BMI計算方法

では、どのくらいの体重が適切なのかを考えていきましょう。体重の評価は様々な方法がありますが、BMI(Body Mass Index)を使って評価する方法が広く浸透しています。BMIは国際的にも使われる肥満判定の指標で「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」という式で求められます。

例えば体重60kg、身長170cmの方のBMIは「60kg÷1.7m÷1.7m=20.76」少数第2位を四捨五入し20.8と評価されます。

様々な調査から、BMI22前後の体重が統計的にみて病気に罹患しにくい体重であることが報告されています。よってBMI18.5〜25が普通体重とされています。BMIが25を超えると、高脂血症・高血糖・高血圧などの生活習慣病の危険因子が普通体重の方に比べ2倍以上に高くなるとの報告があります。

重要な指標!体脂肪率

肥満を判定するには、BMIに加え体脂肪率(体重に占める体脂肪量の割合)も併せて評価することが望ましいです。体重は大きく水分量・筋肉量・脂肪量などに分けられます。体脂肪率とは体重に占める脂肪量の割合のことを指します。

BMIと体脂肪率から体型を調べてみましょう

今の自身の状態を知ることが体重管理の第一歩になります。BMIを25までに保ちつつ、体脂肪率を20%以下にすることが健康的な体型と言えます。

これから始める体重管理!

減量の基本

食事を極端に減らすと、体重は減ります。しかしこの方法は体重以外にも除脂肪体重(脂肪以外の組織の重量)を大幅に減らしてしまいます。除脂肪体重が減ってしまうと筋肉量が低下して健康上に問題が出ます。身体を維持するための栄養素はしっかりと摂取しつつ、余分にエネルギーを摂らない食事が大切です。心がけたい行動と食事内容について幾つか紹介します。

行動

・腹8分目を心がける
・ゆっくり食べる
・食事間隔を空けすぎない
・夕食を摂ってから寝るまでの時間を空ける

食事内容

・定食型の食事スタイルを心がける
・野菜をふんだんに使った料理を食べる
・脂肪分を控える

運動が欠かせない理由

食事管理だけの減量では体力の低下を招くので適度な運動が必要です。実は運動による消費カロリーは高くありません。体力のある方が固定式の自転車を全力で30分漕いだ時の消費カロリーは200Kcal程度です。しかし、適度な運動は除脂肪体重の維持に欠かせません。特に体を支える大きな筋肉群(抗重力筋)を鍛えるトレーニングが効果的です。

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体重管理を続ける方法

美味しい食事の誘惑が沢山ある中で体重管理を続けるのは簡単なことではありませんね。物事を続ける一つの考え方として「行動の強化」というものがあります。ある行動を行い,望ましい結果が伴えば,その行動の頻度は高まるというものです体重管理を続けて、減量に成功したとします。この望ましい結果が「体重管理」という行動を強化することになります。

「体重管理」の行動を強化する具体的な方法として、 減量期間中に記録をつけてみることをお勧めします。客観的に努力した結果を直視でき、行動を強化することができます。また、 周囲の家族や友人に減量中であることを宣言してみるのも良いかもしれません。周囲の目や応援が行動の強化や維持につながると考えられます。

最後に

レッツリハ!では、運動を楽しく行うことで、「体重管理の行動強化」を継続的に行うお手伝いをさせていただいています。気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ!までお問い合わせください!体重を適切に管理し、生活習慣病を予防して、健康寿命の延伸・将来の介護予防につなげましょう!

今回の執筆者は…

レッツリハ! レッツリハ白山駅前店
健康運動指導士 越智直彦

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