【介護予防コラム 42】予防に大切な3つの柱とは? 要介護前のフレイル予防!

皆さんは「フレイル」と聞いてピンとくるでしょうか? 高齢になると「メタボ予防からフレイル予防へ!」といった事も見聞きするかもしれません。今回は「フレイル」「フレイル予防」についてお話させて頂きます!

要介護の一歩手前!? フレイルとは

フレイルとは、わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。「虚弱」を意味する英語「frailty」が語源となっており、多くの高齢者が、健康な状態からこの「フレイル」を経て要介護状態へ進むと考えられています。フレイルには以下のような特徴があります。

  1. 歩行速度の低下
  2. 疲れやすい
  3. 活動性の低下
  4. 筋力の低下
  5. 体重の減少

老年医学の専門家は、上に挙げる5つの徴候のうち3つ以上そろうと「フレイル」と評価します。1つか2つに該当する場合は「プレフレイル(フレイルの前段階)」、いずれも該当しない場合は「ロバスト(健常者、頑強者)」と捉えます。

悪循環のサイクル!フレイルに陥る原因

フレイルは様々な要素が相互に影響し起こります。例えば食生活の変化はフレイルの要因の一つです。高齢者は食欲や味覚の変化、咀嚼や吸収能力の低下などによって、栄養摂取が困難になることがあり、これにより低栄養が引き起こされ、活動性の低下による筋力の衰え、体重減少、体力の低下によりフレイル状態に陥ります。どの要素もすべて複雑に絡み合い、フレイルの悪循環サイクルが生み出され、結果的に支援が必要となる介護の状態に近づいてしまうのです。

予防はいつから?簡単フレイルチェック!

フレイルチェック

フレイルの兆候があるか、以下のチェックで調べてみましょう。

引用:東京大学 高齢社会総合研究機構・飯島勝矢教授作成の図を一部改変

右側に丸が多い場合は要注意です。2025年には団塊世代が75歳以上となり、更に65歳以上の人口が3677万人(2023年5月1日現在人口1億2450万人)と見込まれており、約30%もの人がフレイル状態に近づくこととなります。「ロバスト」「プレフレイル」の段階でいかに気づき、適切な対応ができるかがカギとなります。

フレイル予防

フレイルの予防のポイントとして「栄養」「社会参加」「運動」の三つの柱があります。この柱は互いに影響しあっており、最近の研究では「社会参加」を失うことでフレイルに陥りやすいと言われています。

引用:東京大学 高齢社会総合研究機構・飯島勝矢教授作成の図を一部改変

栄養の面で身体をサポートし、社会的な繋がりや活動で心を豊かにし、運動によって身体機能を維持・向上させること、これらの三つの柱を組み合わせて取り組むことで、フレイルの予防につながります。また、定期的な健康チェックや医師の指導を受けながら、個々の状況に合わせた予防策を実践しましょう。今までの介護予防コラムでも、この3つの柱に適した予防法をとりあげていますのでご紹介します! フレイル予防の3つの柱を積極的に取り組んで、健康で充実した高齢期を迎えましょう! 

栄養

【介護予防コラム㉕】~健康は食事から~栄養から考える機能維持!

社会参加

【介護予防コラム⑧】通いの場を活用して介護予防!

運動

【介護予防コラム③】転倒を予防していつまでも元気に!~サルコペニアを予防しよう~

最後に

今回もコラムをご覧いただき、ありがとうございました。レッツリハでは、通いの場として心身・社会ともに豊かにする場所を提供しています。一人ひとりにあったアプローチで皆様の生活を支援します! 気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ! までお問い合わせください! 社会参加の場を増やしてフレイル予防をしましょう!
※参考文献:国立長寿研究センター、健康長寿ネット、内閣府高齢社会白書

今回の執筆者は…

Let’s リハ!芦屋
健康運動指導士 谷川原 光彦

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